手元にまとまった資金がなくても始められるのか、後から想定外の費用を請求されないか心配になるのは当然のことです。
この記事では、クラウドファンディングの出品にかかる費用と手数料の仕組み、そして公開前に必要な準備について分かりやすく解説します。
クラウドファンディングの初期費用はいくら?結論は基本的に「0円」です
新しいアイデアを形にしたいとき、資金調達の手段としてクラウドファンディングはとても魅力的です。
そして、これから挑戦しようとしている方が一番気になるのは「最初にいくら必要なのか」という点ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、クラウドファンディングを始めるための初期費用は基本的に0円です。
プロジェクトのページを作成してプラットフォーム上に公開するだけであれば、事前にお金を支払う必要はありません。
多くのクラウドファンディングサービスでは、会員登録費用や月額利用料、ページの掲載手数料といった固定費が設定されていないからです。
そのため、手元に大きな資金がない状態からでも、自分の企画を世の中に問いかけることができます。
お金がないから諦めるのではなく、企画や情熱があれば挑戦できるのがクラウドファンディングの大きな強みです。
ただし、「初期費用が0円」ということと「完全にお金をかけずに実施できる」ということは意味が異なります。
プロジェクトが成功して支援金を受け取るときや、公開前の準備段階で発生する費用が存在するためです。
事前の予算計画を立てないまま進めてしまうと、後から「手元にお金がほとんど残らなかった」という事態になりかねません。
まずは、どのようなタイミングでお金が発生するのか、その仕組みを順番に紐解いていきましょう。

集まった支援金から支払う「手数料」の仕組み(CAMPFIREなら17%)
クラウドファンディングでは、ページを出品・公開する時点では費用がかかりません。
その代わり、支援金が集まった際、その総額に応じた手数料をプラットフォーム運営会社へ支払う仕組みになっています。
いわゆる成功報酬型の仕組みであり、支援が集まらなければ手数料も発生しません。
初期リスクを抑えて挑戦できるのは、この手数料の仕組みがあるおかげです。
日本最大級のクラウドファンディングプラットフォームであるCAMPFIRE(キャンプファイヤー)を例に挙げてみましょう。
CAMPFIREでプロジェクトを実施する場合、集まった支援金総額に対して17%(サービス利用料12%+決済手数料5%、別途消費税)の手数料が発生します。
例えば、目標金額である100万円の支援金が集まった場合で計算してみます。
100万円の17%にあたる17万円と、その17万円にかかる消費税を差し引いた金額が、最終的に実行者の口座に振り込まれます。
実際の振込額の目安は、100万円から手数料(税別17万円+消費税1万7千円=18万7千円)を引いた「81万3千円」となります。
このように、集まった支援金がそのまま全額手元に入るわけではない点をあらかじめ理解しておくことが欠かせません。
また、募集方式には「All or Nothing方式」と「All In方式」の2種類があります。
All or Nothing方式は、設定した目標金額に達成した場合のみ支援金を受け取れる仕組みです。
目標に届かなかった場合はプロジェクトが不成立となり、支援金は支援者に全額返金され、実行者に手数料も発生しません。
一方でAll In方式は、目標金額に届かなくても、1円でも支援が集まればその金額を受け取れる仕組みです。
目標未達であっても集まった支援金に対して手数料が発生し、支援者へリターンを届ける義務が生じます。
どちらの方式を選ぶにしても、集まった金額の約2割は手数料として手元に残らない計算で資金計画を組んでおく必要があります。
手数料の存在を計算に入れ忘れると、集まったお金でリターンを準備できなくなる恐れがあるため注意が必要です。
完全無料ではない?公開前に発生する可能性がある3つの準備費用
プラットフォームに支払う初期費用は0円ですが、プロジェクトの準備段階で自分の財布から出す費用が発生する場合があります。
クオリティの高いページを作ったり、魅力的なリターンを用意したりするためには、事前に一定のコストがかかることも珍しくありません。
どのような費用が発生する可能性があるのか、あらかじめ知っておきたい代表的な出費を整理して紹介します。
1つ目は、商品やリターンの試作費・仕入れ費です。
新しいプロダクト開発をする場合、試作品を作るための材料費や金型代、工場への発注費用が事前に必要となります。
また、オリジナルグッズをリターンにする場合も、サンプル制作費や最低発注単位に応じた仕入れ費用がかかります。
2つ目は、ページ作成にかかる制作費です。
クラウドファンディングのページには、プロジェクトの魅力を伝えるための写真や画像、文章が欠かせません。
プロのカメラマンに撮影を依頼したり、デザイナーに画像の作成を頼んだり、ライターに文章を書いてもらう場合は外注費が発生します。
自分で撮影や画像作成を全てこなせば0円に抑えられますが、プロに依頼する場合は数万円から十数万円ほどの予算を見込んでおく必要があります。
3つ目は、事前告知や広報にかかる宣伝費です。
プロジェクトを知ってもらうためにサンプルを関係者に配布したり、SNSで有料広告を出稿したりする場合は広報費用がかかります。
展示会や試食会などのリアルイベントを開催してPRする場合も、会場費や交通費が事前に必要です。
これら3つの費用は、プロジェクト公開前にお金を用意して支払わなければならないケースがほとんどです。
- 商品やリターンのサンプル試作・制作費
- 掲載ページ用の写真撮影や画像デザイン・文章執筆の外注費
- 公開前のPRイベント開催費やWeb広告費
手元の資金が全くない状態で始める場合は、プロへの外注を控えて自力で画像や文章を作成するなど、準備費用を抑える工夫が求められます。
どこにどれだけのお金をかけるか、自分の手元資金と照らし合わせながら冷静に判断してみてください。
失敗を防ぐ事前準備!公開初日に支援を集める「呼び水」の設計手順
「初期費用が0円なら、ひとまずページを作って公開してみよう」と考えてしまう方は少なくありません。
しかし、十分な準備をせずに公開ボタンを押してしまうと、誰からも支援されないまま募集期間が終わってしまう危険性があります。
CAMPFIREで公開されているプロジェクトページを観察してみると、成功している企画の多くは公開直後の数日間に大きな支援を集めています。
逆に、公開から数日経っても支援が広がらないプロジェクトは、その後も伸び悩む傾向が読み取れます。
クラウドファンディングにおいて、公開初日にどれだけのスタートダッシュを切れるかが全体の成否を大きく左右します。
そして、その公開初日の支援を生み出すために不可欠なのが「呼び水」の設計です。
呼び水とは、プロジェクトを公開した直後に、あらかじめ声をかけておいた知人やファンから支援を入れてもらう仕組みのことです。
まだ誰も支援していないゼロの状態のページには、一般の人は不安を感じて支援しにくい心理が働きます。
最初に知り合いからの支援が入ることでページに賑わいが生まれ、それを見た第三者も安心して支援しやすくなります。
この呼び水を作るための準備手順を詳しく確認していきましょう。
まず、公開前に応援してくれそうな家族、友人、知人、過去のお客様などをリストアップします。
ノートやスプレッドシートを用意して、声をかける相手を具体的に書き出していきます。
次に、プロジェクトの公開予定日や企画の想いを、一人ひとりに個別で連絡して伝えます。
一斉送信のメルマガやSNSの全体投稿だけでは想いが伝わりにくいため、直接会ったり個別メッセージを送ったりすることが大切です。
そして「〇月〇日の12時に公開するので、もし共感していただけたら初日に応援してもらえると嬉しい」と具体的にお願いしておきます。
公開前日にも「いよいよ明日公開します」とリマインドの連絡を入れておくと確実です。
準備費用をかけなくても、この呼び水の設計を丁寧に行うだけで、初動の支援獲得率は格段に高まります。
お金をかけること以上に、泥臭い事前の声かけこそがクラウドファンディングの成功を支える土台となります。
予算や準備不足なら実施しない選択も。クラファン相談室へご相談ください
クラウドファンディングは初期費用0円で始められる素晴らしい仕組みですが、すべての人に今すぐおすすめできるわけではありません。
リターンの原価や配送費、プラットフォームの手数料を計算した結果、目標金額を達成しても赤字になってしまうケースがあります。
また、公開前に声をかけられる知人がおらず、呼び水の準備もまったくできていない状態では、支援が集まる確率は決して高くありません。
主語は「クラファン相談室」(運営:fulfull株式会社)として、私たちはクラウドファンディングに挑戦したい方の想いに寄り添いながらも、客観的な視点でお話をお聞きしています。
資金計画に不安があったり、事前の準備がどうしても整わなかったりする場合は、今はクラウドファンディングを実施しないという判断も立派な選択肢です。
実施時期を遅らせて準備を整え直したり、別の資金調達方法を検討したりした方が、結果としてあなたの事業や活動を守ることにつながるからです。
自分の企画だとリターン費用や手数料でいくら残るのか正確に計算したいと感じる方も多いはずです。
あるいは、呼び水の準備が自分でできるか不安なので確認したいという場合もあるでしょう。
そのような疑問を感じたときは、無理にそのまま進めず、まずは計画を見直す時間を確保してみてください。
費用面や準備の手順をひとつずつ整理することが、納得のいくクラウドファンディングへの第一歩となります。