自分のやりたい企画に対して金額が高すぎると誰も支援してくれないのではないか、逆に低すぎると必要な費用が足りなくなるのではないかと不安になりますよね。
この記事では、個人が設定する目標金額の相場や、失敗しないための正しい計算手順を分かりやすく解説します。
個人が設定するクラファン目標金額の相場はどれくらい?
個人でクラウドファンディングを始めようとするとき、最初に悩むのが目標金額の設定です。
CAMPFIREで公開されている個人主催のプロジェクトを見ると、目標金額の多くは30万円から100万円の範囲に収まっています。
趣味の作品づくりや小さなイベントの開催であれば10万〜30万円程度、店舗の開業や商品の開発といった本格的なプロジェクトであれば50万〜100万円以上を設定しているケースが目立ちます。
しかし、この金額はあくまで「他人が設定した結果の数字」に過ぎません。
相場が30万〜100万円だからといって、自分の企画もなんとなく50万円に設定してしまうのはとても危険です。
クラウドファンディングの目標金額は、相場に合わせて決めるものではありません。
自分がプロジェクトを公開したときに「実際にいくら集められるか」という現実的な見込みから逆算して決める必要があります。

「欲しい金額」で目標を設定してはいけない理由
プロジェクトを成功させるために、事業に必要な「本当は欲しい金額」をそのまま目標金額に設定したくなる気持ちはよく分かります。
たとえば「新しいアイテムを作るのに100万円かかるから、目標金額は100万円にしよう」と考えてしまいがちです。
ですが、欲しい金額をそのまま設定することは、クラウドファンディングで失敗する典型的なパターンのひとつです。
クラウドファンディングの支援構造を理解しておくことが大切です。
CAMPFIREで公開されているさまざまなプロジェクトの動きを見ると、集まっている支援の多くは公開直後の数日間に集中しています。
そして、その公開直後に支援してくれるのは、通りすがりの見知らぬ誰かではありません。
プロジェクトを実施するあなた自身の知人、友人、家族、あるいは日頃からSNSなどで交流があるフォロワーといった、もともと繋がりがある人々です。
一般的に、全く面識のない第三者がクラウドファンディングのページを訪れたとき、支援するかどうかを判断する大きな基準となるのが「達成率」や「すでに支援している人の数」です。
すでに多くの人が支援していて、目標達成に向かって盛り上がっているプロジェクトには、安心して支援しやすくなります。
一方で、公開から数日経っても支援者がほとんどおらず、達成率が数パーセントで止まっているプロジェクトには、見知らぬ人はなかなか支援してくれません。
欲しい金額をそのまま設定してしまい、初動で知人からの支援が目標金額に対してわずかしか集まらないと、第三者からの支援も広がりにくくなってしまいます。
だからこそ「欲しい金額」ではなく「応援してくれる人の数」から目標金額を考える必要があります。
支援者の予測から逆算する目標金額の正しい算出手順
では、どのように目標金額を算出すればよいのでしょうか。
クラファン相談室では、自分の手元にある「見込み支援者」のリストから逆算して目標金額を決める手順をおすすめしています。
具体的な算出手順は以下の通りです。
まずは、公開直後に直接声をかけることができる知人や友人、SNSのファンなどの人数を具体的に書き出します。
LINEやDMなどで個別に案内を送れる相手が何人いるか、ノートやスプレッドシートにリストアップしてみましょう。
次に、そのうち実際に支援してくれる確率を現実的に見積もります。
親しい友人や家族であれば高い確率で支援してくれる可能性がありますが、SNSのフォロワーなどの場合は数パーセント程度にとどまることが一般的です。
続いて、一人あたりの平均支援単価を設定します。
個人のプロジェクトの場合、リターンの中心となる価格帯は5,000円から10,000円程度に設定されることが多くなります。
これらの数字を掛け合わせることで、初動で集められる現実的な支援金の予測額が算出できます。
たとえば、確実に支援してくれそうな知人が30人いて、平均支援単価が5,000円だとすると、初動で集まる見込み金額は15万円になります。
この初動の見込み額が、目標金額の全体の約30%〜50%に相当するように設定するのが安全な設計です。
初動で15万円が集まる見込みであれば、全体の目標金額は30万円〜50万円程度に抑えておくのが妥当という計算になります。
また、公開初日に勢いを作るためには、公開前にあらかじめ応援者に連絡を取り、公開日当日に支援してもらうよう約束を取り付けておく「呼び水」の準備が不可欠です。
呼び水を作っておくことで、公開直後からプロジェクトページに支援実績がつき、通りすがりの支援者も参加しやすい雰囲気を作ることができます。
【正直に伝えます】目標金額の引き下げや実施見送りを検討すべきケース
クラファン相談室(運営:fulfull株式会社)では、クラウドファンディングに挑戦したいというお気持ちに寄り添いながらも、場合によっては実施の延期や見送りを正直にお伝えすることがあります。
見込み支援者を計算した結果、目標金額との間にあまりにも大きな開きがある場合は、そのまま公開しても目標を達成できない可能性が極めて高いためです。
たとえば、必要な資金が100万円であるのに対して、声をかけられる知人が数人しかおらず、SNSの発信もこれから始めるという段階の場合です。
このような状態で100万円の目標を掲げて公開してしまうと、初動で支援が全く集まらず、プロジェクトが途中で停滞してしまう可能性が高くなります。
そうした場合は、以下のような選択肢を検討することをおすすめします。
- プロジェクトの規模を縮小し、目標金額を数万円〜10万円程度まで引き下げる
- まずはSNSやイベントなどを通じて、応援してくれるファンを増やしてから公開時期を延期する
- クラウドファンディングという手段にこだわらず、自己資金の積立や別の資金調達方法を検討する
クラウドファンディングは、公開するだけで魔法のように全国から資金が集まる仕組みではありません。
準備が不足したまま挑戦して不成立に終わってしまうと、リターンやページの作成にかかった時間と労力が無駄になってしまいます。
時には「いまはまだ実施するタイミングではない」と判断し、しっかりファンづくりなどの準備を整えてから挑戦することも、成功のための誠実な選択です。
目標設定時に知っておきたい手数料とAll or Nothing方式の仕組み
目標金額を決める際には、集まった支援金の全額が手元に入るわけではないという点にも注意が必要です。
プラットフォームを利用するための手数料や、集め方の方式(掲載方式)による違いを正しく理解しておきましょう。
CAMPFIREでプロジェクトを実施する場合、All or Nothing方式での手数料は支援金総額の17%(サービス利用料12%+決済手数料5%、税別)となっています。
例えば100万円の支援金が集まった場合、手数料を差し引いた約81.3万円が実際の振込額となります。
目標金額を設定するときは、集まった資金から手数料、さらにはリターンの仕入れ・制作費や配送費などを差し引いても、手元に必要な資金が残るように計算しておかなければなりません。
また、クラウドファンディングには「All or Nothing方式」と「All In方式」の2つの掲載方式があります。
All or Nothing方式は、募集期間内に目標金額へ達しなかった場合、集まった支援金を一切受け取ることができず、支援者へ全額返金される仕組みです。
目標を達成できた場合のみ資金を受け取れるため、達成できなかった際のリスクを抑えたい場合に向いています。
一方のAll In方式は、目標金額に届かなかった場合でも、集まった支援金を受け取ることができる仕組みです。
ただし、目標金額に届かなかった場合でも支援者へのリターン(返礼品)を必ず履行しなければならない義務が発生します。
目標金額の引き下げや方式の選択は、ご自身の事業計画や準備状況に合わせて慎重に判断することが大切です。
まとめ
個人のクラウドファンディングにおける目標金額の相場は30万円から100万円程度ですが、大切なのは相場に惑わされないことです。
プロジェクトを成功させる鍵は、「自分が欲しい金額」ではなく「確実に支援してくれる見込み人数」から目標金額を逆算することにあります。
まずは直接応援を頼める知人や友人が何人いるかをリストアップし、現実的な目標金額を導き出してみましょう。
もし見込み額が届かない場合は、目標金額を下げたり、SNSなどでファンを増やす準備期間を設けたりすることも立派な戦略です。
クラファン相談室は、挑戦するみなさまが後悔のないスタートを切れるよう、正直で誠実な情報発信を続けてまいります。