特別な商品や珍しいサービスを持っていなくても、魅力的なリターンを作ることは十分に可能です。
支援者の「応援したい」という気持ちに寄り添うリターンの選び方と、具体例10選を詳しく解説します。
初めての方でも迷わず進められる設計手順もまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
「お返しに何を出せばいい?」と悩む方へ|リターンの基本と考え方
クラウドファンディングの準備を始めるときに、多くの方が最初につまずくのがリターン選びです。
人に自慢できるような特別な商品や、他にはないサービスがないと達成できないと思い込んでいませんか。
実は、クラウドファンディングのリターンは、一般的なECサイトの商品販売とは性質が大きく異なります。
購入者は「モノが欲しい」という理由だけでお金を払うわけではありません。
プロジェクトの思いに共感し、「この人の挑戦を応援したい」「一緒にプロジェクトを成功させたい」という気持ちで支援をしてくれます。
そのため、必ずしも高価なノベルティや特別な完成品を用意する必要はありません。
CAMPFIREで公開されているページを見ると、シンプルなお礼のメールや活動報告の閲覧権といったリターンでも、多くの方から支援を集めているプロジェクトが数多く確認できます。
リターンを考える際は、支援者がどのような体験や気持ちを得られるかという視点を持つことが大切です。
クラウドファンディングの方式には、目標金額に届かなくても支援金を受け取れるAll In方式と、目標未達の場合は支援金を受け取れないAll or Nothing方式があります。
All or Nothing方式を選択した場合、手数料はサービス利用料12%と決済手数料5%を合わせた17%(税別)となります。
どちらの方式を選ぶ場合でも、プロジェクトの資金計画に合わせて無理のないリターンを設定することが成功への第一歩です。

【分類別】すぐ使えるクラファンのリターンアイデア例10選
どのようなお返しを用意すればよいかイメージが湧かない方のために、具体例をいくつか紹介します。
リターンは大きく分けて4つのカテゴリに分類できます。
ご自身の活動内容や準備できるリソースに合わせて、これらを組み合わせながら設定していきましょう。
まずは、商品やサービスが手元になくても提供できる感謝・応援型のリターンです。
支援者への感謝を伝えることがメインとなり、原価があまりかからないため初心者にも扱いやすいのが特徴です。
- 心を込めたお礼のサンクスメールや手書きの感謝状
- クラウドファンディング限定の活動報告や裏話の閲覧権
- オーナーや発起人からのサンクス動画メッセージ
次に、実際に形のある商品やサービスを提供する予約・体験型のリターンです。
新しい商品を開発する場合や、店舗を開業する場合に非常に相性が良いアイデアです。
- 完成した商品の早期割引チケット(早割)
- クラウドファンディング限定のカラーや特別セット商品
- 店舗で使えるお得なプレオープン招待券や事前利用権
- 発起人と直接話せるオンライン交流会や報告会への参加権利
最後は、プロジェクトの制作過程に支援者自身が関わることができる権利・参加型のリターンです。
支援者が「一緒に作り上げた」という強い当事者意識を感じられるため、根強いファンが生まれやすい魅力があります。
- Webサイトや製品にお名前を刻むクレジット掲載権
- 商品のカラーバリエーションやデザインを一緒に決める投票権
- 開発中の試作品を先行して試せるモニター参加権
リターンの価格帯は、気軽に支援できる3,000円程度の低価格帯から、熱心なファンに向けた数万円以上の高価格帯まで、幅広く用意しておくことが大切です。
何から手をつける?失敗しないリターン設計の3ステップ
アイデアが出揃ったら、実際にリターンを商品枠として組み立てていく作業に入ります。
行き当たりばったりで設定すると、後から資金が足りなくなったり発送作業でパンクしたりするリスクがあります。
失敗を防ぐために、以下の3ステップで順序立てて設計を進めていきましょう。
最初のステップは、支援者の層に合わせた価格帯とラインナップの設定です。
リターンは「松・竹・梅」のように、低単価・中単価・高単価の3段階以上で準備するのが基本です。
知人が応援しやすい3,000円から5,000円の価格帯、商品をしっかり届ける10,000円前後の価格帯、そして特別な体験を届ける高額な価格帯を用意しておくと、支援者が自分に合った金額を選びやすくなります。
次のステップは、原価や配送費、手数料の緻密な計算です。
リターンの価格を設定する際は、かかった費用を引いても手元に資金が残る計算になっていなければ意味がありません。
CAMPFIREを利用する場合、All or Nothing方式では17%(サービス利用料12%+決済手数料5%、税別)の手数料が発生します。
商品の製造原価だけでなく、梱包資材費や送料、消費税、プラットフォーム手数料をすべて差し引いた上で、プロジェクトの目標金額に届くかを必ず試算してください。
最後のステップは、公開直後にスタートダッシュを切るための呼び水作りです。
クラウドファンディングにおける支援の多くは、公開直後の数日間に集中するという特徴があります。
見知らぬ一般の支援者は、すでに支援が集まっている賑やかなプロジェクトに集まりやすい傾向があります。
そのため、公開する前に家族や友人、既存の知人へ直接連絡を取り、「公開初日に支援してほしい」と声をかけておく呼び水作りが欠かせません。
無理な実施は危険?リターン準備でチェックすべき注意点
リターンを魅力的にしようとするあまり、実行できないような約束をしてしまうのは非常に危険です。
クラウドファンディングは信用によって成り立つ仕組みであるため、リターンの履行遅延や内容の不備は大きなトラブルに発展します。
準備段階で確認しておくべき注意点を整理しておきましょう。
よくあるトラブルの一つが、発送作業の手間や送料の計算不足です。
手書きのお礼状を数百件分用意すると約束してしまい、書く時間が足りずに発送が大幅に遅れてしまうケースがあります。
また、大型の商品や遠方への発送で送料が予想以上にかかり、利益がほとんど消えてしまったという失敗も少なくありません。
手作業が発生するリターンにはあらかじめ数量制限を設けておくなど、現実的な運用計画を立ててください。
また、提供する時期やスケジュールの見極めも重要です。
商品の製造トラブルや輸入の遅れによって、予定していた時期にリターンを届けられないことがあります。
余裕を持ったお届け予定日を設定し、万が一遅れが生じる場合はこまめに活動報告機能で状況を伝える誠実さが求められます。
なお、扱おうとしている商品やサービスによっては法律や規約の確認が必要です。
中古品や酒類、食品などを扱う場合は、適切な許可や免許が必要になることがあります。
プラットフォームごとの掲載基準やガイドラインも必ず確認しておきましょう。
もし計算の時点で原価率が高すぎたり、リターンの履行によって本業が圧迫されたりすることが目に見えている場合は、無理に実施しない方が良い場合もあります。
クラウドファンディングはあくまで手段であり、実施したことで事業が傾いてしまっては本末転倒だからです。
クラファン相談室(運営:fulfull株式会社)では、計画に無理があると判断した場合は、時期の延期や実施の見送りも含めて正直にお伝えする姿勢を大切にしています。
まとめ:不安な方はまずクラファン相談室へご相談ください
魅力的なリターンを作るために必要なのは、特別な商品や豪華なノベルティではありません。
支援者が「応援してよかった」「プロジェクトに関われて嬉しかった」と感じられるような、感謝の気持ちと丁寧な設計です。
プロジェクトを成功させるためには、魅力的なリターンを揃えるだけでなく、事前に協力者を募る呼び水作りが非常に重要な鍵を握ります。
公開初日から勢いをつくる準備をしておくことで、より多くの方にあなたの挑戦が届くようになります。
リターンの価格設定や原価計算、呼び水の声かけ方法など、自分ひとりでは判断がつかない部分も多いかもしれません。
無理な計画でスタートしてしまう前に、まずは一つひとつの手順を丁寧に確認しながら準備を進めていきましょう。